【賃貸併用住宅の失敗例】成功に導く対策方法とは?
賃貸併用住宅とは、1つの建物に「自宅」と「賃貸」がある新しい住居形態です。
賃貸部分から得られる家賃収入は住宅ローンの返済に充てられるため、
不動産投資の初心者や老後の資産形成を考える人などから人気を得ています。
ただ忘れてはいけないのが、「失敗する例もある」という点。
賃貸併用住宅には「プライバシーの問題」、「騒音問題」、
「空室リスク」といった共通した失敗例があるのです。
今回は賃貸併用住宅を検討するあなたに、事前に知っておくべき
「賃貸併用住宅の失敗例」と「対策方法」を解説します。
賃貸併用住宅の失敗例は、一般の持ち家や賃貸住宅とは少々事情が異なります。
最後までお読みいただければ、どうすれば失敗を回避できるかが見えてくるでしょう。
その1【入居者に干渉しすぎて失敗】
賃貸併用住宅に限りませんが、賃貸経営で意外と多い失敗が
「入居者に干渉しすぎる」です。
一部の賃貸オーナーによっては、入居者とのコミュニティ形成で長期入居を
実現した成功例があります。
そのため、入居者とつながりを持ちたいと考えるオーナーも少なくありません。
ただ人間関係が希薄になりがちな昨今、すべての入居者がコミュニティを
必要とは考えてはいないでしょう。
そもそも賃貸併用住宅に住む入居者は、以下のような点を不安に思います。
【賃貸併用住宅で入居者が不安に思う点】
- 大家さんと顔を合わせるたびに気をつかうのが煩わしい
- ちょっとしたことで小言を言われるのではないか
- 大家さんが近くに住んでいるから常に監視されているように感じる
他人に干渉されたくないと思っている入居者もいるため、賃貸併用住宅では
「入居者とオーナーの距離が近い」という点がデメリットとして説明されがち。
オーナーとして良かれと思って行った親切でも、それが必ずしも入居者にとって
好ましい行為とは限らないのです。
入居者とのコミュニケーションは逆効果となるケースも多いため、
注意が必要と考えるべきでしょう。
入居者とのコミュニケーションで失敗しない方法
ただ入居者とオーナーの距離が近いことは必ずしもデメリットではなく、メリットもあります。
- 賃貸部分が近くにあれば清掃や自主管理がしやすい
- 建物や設備の故障に気づきやすく、迅速に対応できる
- 故障や管理の対応が早ければ入居率が上がる
- オーナーが近ければ女性や上京した学生は安心感が得られる
入居者との関わりは注意が必要とお伝えしましたが、
適度な距離感を持ったコミュニケーションであれば問題ありません。
【入居者に干渉しすぎない方法】
- 入居者対応や修繕・管理、清掃などは管理会社に委託する
- 頻繁に顔を合わせないよう賃貸と自宅の出入り口は離れた位置にする
- 庭やベランダから互いの住まいが見えないような間取りにする
- 大家からの直接連絡が必要なときは、掲示板か書面の投函で対応する
もっとも大事なのは、「管理会社を間に挟む」ことでしょう。
不動産に限らず、第三者が間に入ればトラブルや揉めごとは円満に解決するためです。
コミュニティをコンセプトとした物件でない限り、必要以上に
入居者に干渉するのは避けるのがベストと言えるでしょう。
その2【騒音問題による失敗】
賃貸併用住宅でもっとも多いと言える失敗が、「騒音問題」です。
一般の戸建て住宅であれば、近所に響かない程度の音なら問題ありません。
ただ賃貸併用住宅は自宅と賃貸部分が隣接しているため、
入居者側からの騒音、オーナー側からの騒音がトラブルの元になりかねないのです。
たとえば、賃貸併用住宅で多い「1階が賃貸、2階がオーナー自宅」の場合で考えてみましょう。
上下階で自宅と賃貸が分かれているため「横割り住宅」と言われます。
横割り住宅は上階の音が下階に伝わりやすいため、子供のいるオーナーには向きません。
仮に子供がいなくても歩く音や扉の開閉音などが気になる賃貸の入居者もおり、
騒音トラブルにならないとは言い切れないのです。
騒音問題で失敗しない方法
では賃貸併用住宅の騒音問題は、どうすれば回避できるでしょうか。
答えは簡単で、縦割りの賃貸併用住宅にしてしまえば騒音問題の大半は解決できます。
建物を縦に二分割し、半分がオーナースペース、もう半分を賃貸スペースにするのです。
縦割りの賃貸併用住宅にすれば、上下階の音を気にする必要がありません。
ただし音は横方向にも伝わるため、騒音問題を完全に排除するのは難しいのが事実。
そのため、建築前には以下のような工夫も検討しておきましょう。
【騒音問題で失敗しない工夫】
- 風呂やトイレ、台所といった水回りは、居住スペースとは離れた位置に配置する
- 隣の部屋との間に収納スペースを設ければ防音効果がある
- 壁には防音性のある断熱材を使用し、窓はペアガラスや二重サッシにする
- 遮音性の高いフローリングやウレタンマットなどを採用する
建物を建てたあとで防音や遮音のリフォームを行うと、費用が高くなります。
事前に防音対策された賃貸併用住宅にするため、設計段階から建築会社に
相談することをおすすめします。
その3【空室による失敗】
賃貸併用住宅の失敗でもっとも避けなければいけないのが、「空室リスク」です。
空室の発生は、収益減に直結する重要な問題。
もし賃貸併用住宅で空室を放置すると、さまざまな支障が生じます。
- ローン返済が滞る
- その他コストや税金の支払いも困難になる
- 最悪の場合、破綻の可能性もある
- 破綻すれば自宅を失う
賃貸併用住宅ではないアパートやマンションに投資しているなら、
空室が埋まらなくても物件を売却すれば大きな損失にはなりません。
ただ賃貸併用住宅は自宅も兼ねた不動産投資であるため、
ローン返済が滞ると自宅も失う可能性があります。
だからこそ、賃貸併用住宅でもっとも避けなければいけない失敗が空室リスクなのです。
空室リスクで失敗しない方法
賃貸併用住宅だけではありませんが、賃貸経営の空室対策は実に多くの方法があります。
特に重要なのは以下6点です。
【空室リスクを回避するポイント】
- 事前に見込み家賃収入とローン返済などの支出をシミュレーションする
- 賃貸需要のある立地に建築する
- ライバル物件や周辺環境を調査してニーズの高い間取りにする
- 人気のある設備は必ず設置する
- 周辺相場を加味して適切に家賃設定する
たとえば単身者向けの物件が多いエリアでワンルームなどの間取りを作るのは、
勝てる見込みが低い勝負に挑むようなもの。
1LDKや2DKといったカップルや夫婦世帯向けの間取りにするなど、差別化を図るのがベストです。
また家賃が高ければ入居者は付きませんし、安すぎると逆に怪しまれます。
周辺の家賃相場は必ず調査するようにしましょう。
なお特に大事なのが、「1. 事前に見込み家賃収入とローン返済などの
支出をシミュレーションする」です。
事前に収支シミュレーションしない賃貸併用住宅は、
必ず失敗すると言っても過言ではありません。
収支シミュレーションのためには、必ず周辺の家賃相場や入居率を確認しておきましょう。
そのうえで人気の立地や設備、適切な家賃設定をすれば、
賃貸併用住宅の空室リスクは大幅に下げられます。
【賃貸併用住宅の大きな誤解】「売却しづらい」はウソ!?
さて、もしかするとあなたは、「賃貸併用住宅は売却しづらい」という情報を
目にしたことがあるのではないでしょうか。
実は賃貸併用住宅は売却しづらいという情報、大きな誤解であるか間違った認識であることが
少なくありません。
ではなぜ、賃貸併用住宅は売却しづらいと言われるのでしょうか。
【賃貸併用住宅が売却しづらいと言われる理由】
- マイホームを探している人は賃貸併用住宅を検索しない
- 投資不動産が欲しい人にとって自宅部分が余計になる
- 自宅でも投資不動産でもない特殊な間取りであるため
- 市場に出回る件数が少ないため、安い売却価格でしか取引されない
どれも一理ある意見ですが、半分正解、半分不正解といったところです。
たしかにマイホームを探す人は、賃貸併用住宅で物件を探そうとは思わないでしょう。
また投資用不動産を探す人にとって自宅の有無は重要ではなく、
市場で取引される数が少なければ売却しづらいというイメージを持つのも頷けます。
ただ、上記の発想は少々ネガティヴすぎると言っても良いでしょう。
賃貸併用住宅は「売却しやすい有利な物件」
投資用不動産を探している人からすると、不動産の良し悪しは「収益性」がすべて。
賃貸併用住宅の自宅部分に必ずしも自分が住む必要はなく、
自宅部分が余計なら賃貸すれば良いと考えます。
それよりも重要なのは、十分な家賃収入が見込める物件であるかどうかです。
また市場に出回る件数の少なさは売却しづらい理由にはならず、
「希少性が高い物件」と捉えるのが正しい考えかた。
希少性が高いという点において、賃貸併用住宅はむしろ売却しやすい物件と言えるでしょう。
【賃貸併用住宅が売却しやすい理由】
- 入居率が高い状態を維持できれば、収益性の高さから買い手が付きやすい
- 収益性の高い物件は資産価値も高くなるため、売却価格を高くできる
- 市場に出回らないため、希少価値が高い
- ローンを完済していれば安く売却しても利益になるため買い手も付きやすい
そもそも賃貸併用住宅が十分な利益を出しているなら、売却しようとは誰も思いません。
市場に出回る物件数が少ないのは、賃貸併用住宅が安定した不動産投資である証拠と言えるでしょう。
賃貸併用住宅は「パートナー選び」で失敗を回避!
では賃貸併用住宅で失敗しないための方法、そして将来的な売却を
加味したコツをまとめておきましょう。
- 入居者に干渉しすぎないように管理会社を間に挟みつつ、建物の構造も工夫する
- 騒音問題は、間取りの工夫や防音素材の使用で大幅に解消できる
- 事前に収支シミュレーションを行い、空室が発生しても慌てないプランを立てる
- 空室を防ぐには「ニーズの高い立地」、「人気の設備」、「適正な家賃」が重要
- 空室が少なく収益性の高い物件なら将来的な売却も問題なく、むしろ高く売却できる
不動産投資で成功している人の多くは、必ずと言っていいほど良い不動産会社を
パートナーにしています。
ただ賃貸併用住宅を専門に取り扱う会社は少なく、賃貸併用住宅のノウハウを
持っていない不動産会社や建築会社がほとんど。
失敗しない賃貸併用住宅を手に入れるのに良きパートナーとなってくれるのは、
賃貸併用住宅を専門に取り扱う会社です。
賃貸併用住宅で不安に思うことや相談ごとは、是非賃貸併用住宅を
専門に取り扱う会社「はたらくおうち」に相談してください。