賃貸併用住宅の間取りの考え方とは…?
賃貸併用住宅の間取り
賃貸併用住宅を建築するにあたり、まず行うのは立地の選定ですが、
それと同じくらい大切なのが「間取り」です。
賃貸併用住宅はオーナーの自宅でありながら、一部は賃貸住宅でもあります。
そのため、オーナーの家族構成と、理想とする入居者像を考え合わせた上で、
間取りや全体の建築プランを決めることが不可欠です。
また、間取りはオーナーと入居者間のプライバシー、
騒音問題などにも関わってきます。
この点に十分な注意をせずに賃貸併用住宅を建設した場合、
後々になって問題が起こる可能性もあります。
賃貸併用住宅の間取りについて詳しく知りたいという方、
また入居者にとって魅力的な賃貸併用住宅を建てたいという方はぜひこちらをご覧ください。
間取り・外観・内装のポイント
冒頭でお伝えしたように、賃貸併用住宅はオーナーの自宅兼賃貸住宅です。
そのため、オーナーの好みだけで設計すると、
入居者に需要のない住宅になってしまうこともありえます。
年代によって人気のデザインはあるものの、
選ばれやすい物件にはある程度の類似性があるものです。
ここでは、プラニングをする上で注意すべきポイントを3つあげてご説明します。
1. 防音対策・プライバシーに配慮する
賃貸併用住宅で、キッチンやお風呂・トイレなどの水回りの設置場所には
特に注意が必要です。
賃貸部分はそれぞれの水回りを隣り合わせた間取りにするなど、
隣人の居住スペースから離して設置しましょう。
寝室のすぐ横に隣人の風呂場などがあった場合、生活音が気になってしまい、
実際に入居者がよく眠れないという例があります。
騒音やプライバシーに関する問題を起こさないためにも、
賃貸併用住宅の間取りは熟考した上で決めることが大切です。
そのためには、賃貸併用住宅を建てた実績のあるハウスメーカーや
工務店などに相談することをおすすめします。
以前の例ですが、有名なハウスメーカーに賃貸併用住宅の建築を
依頼した方がいらっしゃいました。
しかし、そのメーカーは普通の住宅の要領で賃貸併用住宅を建設したため、
防音面などが不十分で、失敗例となってしまいました。
建築の際には、賃貸併用住宅をよく理解していて、
実績のあるメーカーを選ぶことが重要です。
2 .グレードの高い設備をつける
賃貸部分の設備面でコストを下げようと安価な設備にすると、
家を探す人のウケが悪く、なかなか入居者が決まらないことがあります。
その上、安い設備の場合、すぐに故障したり買い替えが
必要になったりすることがあり、修繕費が高くついてしまいます。
そのため、賃貸併用住宅に安価な設備を揃えることが、
必ずしもコスト削減に繋がるとは言えません。
賃貸併用住宅の設備を選ぶ際は、近くの賃貸物件の設備を参考にすると、
入居者のニーズがわかります。
スーモやホームズなどのポータルサイトをチェックすれば、
不動産会社の店舗にわざわざ行かなくてもさまざまな物件情報が簡単に入手可能です。
また、近くの賃貸物件の間取りや家賃相場もわかるので、
サイトをうまく活用すると良いでしょう。
3. 建物の外観・内装
賃貸併用住宅を建築する際に、一般の戸建てのような見た目でなく、
アパートやマンションを意識したデザインを取り入れることで、
賃貸物件が早く埋まる実例があります。
また、コスト削減のためには、汚れが目立ちにくい素材を外壁に使用し、
修繕費を抑えるなどの例もあります。
外観だけでなく内装も重要です。入居者に好まれるように、
賃貸併用住宅のデザイン・間取りには、予算の範囲内で
十分な費用をかけるようにしましょう。
以上の3点を押さえて設計プランを立てると、
人気の賃貸併用住宅を建てることが可能です。
また、オーナーと入居者の住まいを上手く分けることも重要です。
お互いのプライバシーが守られていれば、入居者は気がねせずに住むことができ、
オーナーは安定した家賃収入を長期間にわたって確保することができるでしょう。
タイプ別の住宅構造
賃貸併用住宅には大きく分けて横割りと縦割りがあり、
一般的に横割りの構造のものが多くを占めています。
ここでは、横割りと縦割りの間取りプランをご紹介します。
<横割りの賃貸併用住宅>
横割りはオーナーの住居と賃貸物件が階によって異なります。
それぞれの構造はフラットなため、オーナーが高齢になっても
住みやすいのがメリットです。
また、自宅部分を最上階にする場合、屋上を設けられる地域もあるので、
その場合はスペースを広く取ることが可能になります。
ただし、賃貸併用住宅は建物の50%以上をオーナーの住居にすることで、
金融機関の住宅ローンの融資が受けられるメリットがあります(※1)。
そのため、3階建てであっても1~2階すべてを賃貸にあてるようなプランはできません。
上下どちらかの階に入居者がいるため、
音をたてないなどの配慮が必要になります。
(※1 一般的に50%以上とされています)
<縦割りの賃貸併用住宅>
オーナーの住居と賃貸部分を左右に分けた縦割り構造は、
上下階の騒音対策に適しています。
オーナーに小さなお子さんがいる場合、
騒音面で入居者に配慮できるので一考の価値があるでしょう。
ただし、デメリットとして、それぞれの住居に階段を付けるための
スペースが必要になることがあげられます。
特定層にアピールする賃貸併用住宅の例
賃貸併用住宅にするなら、少しでも多くの家賃収入を得たいですよね。
賃貸併用住宅の賃貸部分は、単身者向きのワンルームもしくは
1Kの間取りになっている例が多数を占めます。
賃貸の戸数が多いと、多くの入居者から家賃を
受け取ることができるためです。
しかし、特定の層に向けた間取りにすることで、
入居者のニーズを満たし人気になった実例もあります。
たとえば、カップルや二人暮らしの夫婦向けに、
1LDKや2LDKの賃貸物件も必要です。
特に、周りがワンルームの賃貸物件ばかりのエリアだと、
1LDKや2LDKの需要が見込まれます。
また、そういう間取りはワンルームよりもスペースを広くとるため、
その分家賃設定も高くできます。
賃貸部分の部屋数が少なくても、家賃価格を考慮した上で
収支のシミュレーションを行うことで、
ローン返済と家賃収入のバランスを取ることは可能です。
また、女性好みの間取りや仕様にすると、
女性だけでなく男性の入居希望者も増えるという実例があります。
そういう物件を選んだ人に聞いてみると、女性・男性に関わらず、
「すてきな部屋だったから選んだ」という回答が多く、
女性ウケがいい物件は男性にも好まれることが分かりました。
女性ウケするポイントとしては、キッチンにオシャレな照明をつけたり、
内装部分にソフトなカラーを使ったりすることなどがあげられます。
首都圏や関西圏ではワンルームの賃貸物件の供給が需要を
上回る傾向が見られるため、これから賃貸経営を行う方は、
特に以上のような点に注意が必要でしょう。
満室状態を維持しながら、入居者に長期間契約してもらえる物件を
提供するためにも、入居者が魅力を感じる住宅を建設することが大切です。
失敗しない賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、オーナーの自宅と賃貸物件としての役割を
併せ持っているため、普通の戸建てとは違います。
賃貸併用住宅を建てるにあたって、入居者に配慮した間取りやプランというものを、
しっかりと認識しておきましょう。
そうでないと、騒音やプライバシーなどの問題が発生したり、
入居者の間でトラブルが起きたりすることも考えられます。
最悪の場合、十分な入居者が集まらず、家賃収入で
ローン返済ができなくなってしまうリスクもあるのです。
そうならないためには、家探しをしている人のニーズに合わせた
間取りやプラン設計が不可欠です。
自分で設計プランを立てるのではなく、必ず賃貸併用住宅専門の知識を持った
【はたらくおうち】にご相談ください。
【はたらくおうち】であれば、そのエリアで家探しをしている人の特性を
知っており、賃貸併用住宅の実例を元にしたアドバイスもできます。
また、住宅ローン融資を受けやすい銀行や賃貸併用住宅に向いた土地選びなどについての
知識があるので、広い範囲でサポートをすることが可能です。