賃貸併用住宅にはフラット35を利用できない?
賃貸併用住宅にはフラット35を利用できない?
賃貸併用住宅の購入時には、なるべく借り入れ条件の良い住宅ローンを選びたいものです。
さまざまな住宅ローンを比較し、フラット35をご検討される方もいらっしゃるでしょう。
フラット35は自宅を購入する際に利用できる住宅ローンで、
固定金利で最長35年の長期借り入れができるという特長があります。
2020年度には利用件数が7万件を超えており(※1)、
テレビCMなどでも耳にする機会が多いでしょう。
審査にも比較的通りやすく、借り入れる側にとって安心感のある住宅ローンといえます。
しかし残念ながら、賃貸部分を備えた賃貸併用住宅はフラット35の適用外です。
なぜ賃貸併用住宅ではフラット35が利用できないのか、申し込むとどうなるのか。
あわせて、賃貸併用住宅でも利用できる住宅ローンについて詳しく見ていきましょう。
(※1 「2020年度フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400357456.pdf)
賃貸併用住宅でフラット35を使うとどうなる?
賃貸併用住宅を購入するためにフラット35を申し込んでも、断られてしまう可能性があります。
その大きな理由は、フラット35は自宅を購入するためのローンだからです。
新築または中古住宅の建設・購入資金であることが融資の条件であり、
投資用物件には利用できません。
賃貸併用住宅のような、投資的な側面のある物件は条件を満たしていないのです。 (※2)
しかし実際は、賃貸併用住宅の購入にフラット35を適用できないかと
ご相談に来られる方も少なくありません。
知名度が高く安心して融資を受けられること、借り入れる側のメリットの大きさなどから、
できればフラット35を利用したいとお考えの方は多いのです。
(※2 「【フラット35】ご利用条件」https://www.flat35.com/loan/flat35/conditions.html)
フラット35とはどんなローン?
そもそもフラット35とはどのような住宅ローンなのか、詳しく見ていきましょう。
先ほどご説明した通り、フラット35は住宅金融支援機構が提供する住宅ローンです。
住宅金融支援機構は政府系の金融機関で、
基本的には民間の金融機関と協力して融資を行っています。
さまざまな融資・金融商品を展開しており、中でもフラット35は
多くの国民への高品質な住宅の供給を目的としています。
そのため、借入人の属性よりも購入する住宅の品質・機能に重きを置く傾向にあります。
一定以上の敷地面積、道路への接道面積、断熱性、耐震性など、
さまざまな基準をクリアしなくてはいけません。
それらの基準を満たせば、新築だけでなく中古住宅の購入にも
フラット35を利用することができます。
他にも、フラット35には利用者にうれしい3つの特長があります。
最長35年もの固定金利・低金利
フラット35の目的の一つが、国民に高機能の住宅を低金利で供給することです。
極端に利益を追求することなく、長期融資でも固定金利を低く設定しています。
金利には固定金利と変動金利があり、固定金利は景気の回復などに伴い
金利水準が上昇しても返済額が増えることはありません。
そのため、長期的に収支計画を立てやすいというメリットもあります。
一方で、変動金利よりも金利が高く設定されやすいというデメリットがあるのです。
しかし、フラット35の固定金利は他の金融機関の固定金利よりも低く設定されています。
フラット35の35年固定金利は、融資率9割以下であれば1.27~1.96%です(※3)。
これに対して、他の金融機関が扱う住宅ローンの35年固定金利は平均1.6~2%です。
そもそも35年固定金利自体が珍しく、10年もしくは20年固定金利がほとんどです。
長期融資でありながら固定金利かつ低金利ということで、
フラット35を選びたい方は少なくありません。
(※3 融資率…物件の購入費用に対し、どれだけの金額を融資するか表した比率のこと。)
保証人・保証金なしで申し込むことができる
金融機関で住宅ローンの融資を受ける場合、基本的に保証人や保証料が必要です。
この保証人を頼める人がおらず、なかなか融資を受けられないというケースがよく見受けられます。
一方フラット35は保証人・保証料が不要ですので、そういった問題は回避できます。
病歴・投薬歴があっても融資を受けられる
住宅ローンの審査では、借入人の病歴も見られます。
なぜなら、住宅ローンを利用する場合は団体信用生命保険(団信)への加入が必須だからです。
団体信用生命保険とは、借入人が死亡した場合に残債を肩代わりしてくれる保険です。
病歴や投薬歴によっては加入することができず、住宅ローンも受けられなくなることがあります。
フラット35では、この団体信用生命保険への加入が任意となっているのです。
そのため、他の金融機関で住宅ローンの審査に通らなかった人でも
融資を受けられる可能性があります。
ただし、フラット35には団体信用生命保険のような残債の肩代わり制度はありません。
万が一のときには、ご家族に住宅ローンの負債を残すことになってしまいます。
メリットでもありデメリットでもあるということは、忘れないようにしておきましょう。
フラット35は賃貸併用住宅には適していない
フラット35には、他の金融機関の住宅ローンにはない強みが多くあります。
賃貸併用住宅の購入にもぜひ利用したいところですが、残念ながら難しいというのが実情です。
仮に賃貸併用住宅でフラット35に申し込むことができたとしても、
融資の対象になるのは自宅となる部分のみとなります。
先述の通り、フラット35の35年固定金利は融資率9割以下であれば1.27~1.96%です。
一方、アパートローンや投資用ローンの金利は2~3%に設定されています。
賃貸部分の金利によって、低金利というフラット35のメリットが薄れてしまうのです。
またアパートローンや投資用ローンでは、フラット35とは異なり保証人や保証料が必要になります。
手間も費用もかかってしまうため、賃貸併用住宅にはフラット35は適していないのです。
賃貸併用住宅にベストな選択肢は住宅ローン!
さまざまな面から見て、賃貸併用住宅にはフラット35が適していないことがあります。
では、賃貸併用住宅を建設・購入する際はどういったローンを利用すればいいのでしょうか。
結論から申し上げると、ベストな選択肢は住宅ローンです。
金融機関によりますが、一般的には住居部分が50%以上を占めていれば
賃貸併用住宅でも住宅ローンに申し込むことができます。
アパートローンを利用して融資を受けることもできますが、
金利や返済期間的におすすめなのは住宅ローンです。
住宅ローンとアパートローンの金利・返済期間を比較すると以下のようになります。
(※4 実際は25~30年が多く、審査が厳しいため返済期間の延長は困難。)
金利が低いほど返済の負担を軽減できますし、返済期間が長ければ月々の返済額は少なくなります。
返済額を抑えることができれば、家賃収入が返済額を上回ることも十分に期待できます。
賃貸併用住宅を購入される際は、アパートローンよりも通常の住宅ローンがおすすめです。
賃貸併用住宅の住宅ローンについては【はたらくおうち】まで!
今までにない、新しい形のマイホームである賃貸併用住宅。
もちろんメリット、デメリットはありますが、これまでマイホーム購入をためらっていた方にとっては新しい選択肢といえます。
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