賃貸併用住宅の管理業務!あなたに合ったベストな管理方法とは?
賃貸併用住宅は、自宅でありながら賃貸経営もできる画期的な住まいの形です。
住宅ローンを家賃収入で返済できるのが、賃貸併用住宅の大きなメリット。
ただ、賃貸併用住宅を建築したあとの管理を軽く考えていると、
家賃収入が大きく減ってしまう可能性があります。
賃貸併用住宅に限らず、賃貸経営でもっとも大事なのは「管理業務」だからです。
とはいえ、賃貸の管理業務をそう難しく考える必要はありません。
この記事では賃貸物件の管理業務の種類や実務について分かりやすく解説し、
あなたに合ったベストな管理方法をお教えします。
業務を委託する管理会社を選ぶコツもご紹介しますので、
最初から最後までしっかり目を通してくださいね。
賃貸物件の管理は3種類!「自主管理」「委託管理」「サブリース」
賃貸併用住宅を始めとして、賃貸物件の管理は3つの種類に分類されます。
どの管理形態にすべきかは、あなたが所有する賃貸併用住宅の方針や
ライフスタイルにより決めると良いでしょう。
自主管理はその名のとおり、オーナー自身で物件を管理する形態。
また管理会社に管理を任せる委託管理は、一部委託や全部委託で選択できます。
資格の必要な入居募集や契約事務だけ管理会社に任せたり、
入居募集と建物の管理は別々の会社に依頼したりといった方法も可能です。
一方サブリースは、サブリース会社が物件を借り上げて転貸する方式のため、
ほぼすべての管理を任せられます。
種類別のメリットデメリット
では、それぞれの管理形態によるメリットデメリットを比較してみましょう。
昨今は本業のかたわら賃貸オーナーを行うサラリーマン大家も増えており、
特に賃貸併用住宅ともなれば家族を安心させるためにも委託管理がベストな選択と言えるでしょう。
事実、2019年に国土交通省が実施したサブリース以外の賃貸物件における調査では、
賃貸オーナーのほとんどが委託管理を選択。
自主管理をしているオーナーは、全体の2割未満と非常に少ない結果になっています。
世の中には自主管理で賃貸経営を行うオーナーも多くいますが、
賃貸経営が初めてだったり、本業がサラリーマンだったりする場合は
委託管理やサブリースが選択肢になるでしょう。
自主管理と委託管理のメリット・デメリットを考慮し、
あなたのライフスタイルにあった管理形態を選ぶのが賢い選択です。
注意!サブリースの詳細と問題点
ただし、サブリースによる管理形態には注意が必要です。
一般的な賃貸契約では、あなたがオーナーであり貸主になります。
物件を借り上げて転貸するサブリースは、貸主がサブリース会社。
そのため一定額の家賃収入が保証され、物件管理もすべて任せておける魅力的な管理形態です。
しかし「貸主がサブリース会社」という点において、必ずしもメリットばかりではありません。
サブリースでよくあるトラブル
先述の管理形態別によるメリットデメリットにもあるように、
サブリースには注意すべき点が多くあります。
【サブリースの主な注意点】
- 手数料が賃料の15~20%と非常に高い
- オーナーは礼金や更新料といった収入を得られない
- 貸主がサブリース会社のため家賃設定や入居募集などについてオーナーが決められない
- 空室時に家賃が支払われない免責期間がある
- サブリース契約をオーナー側から解除するのが難しい
- 解約時の違約金が高すぎる
- どんな人が住んでいるか確認しづらい
そもそも賃貸契約において、貸主であるオーナーは弱い立場にあります。
法律上、借り主からの契約解除は比較的に簡単ですが、貸主からの解除は
正当な理由がない限り認められていないのです。
そのためサブリースの契約解除におけるトラブルは非常に多く、
過去に裁判になった事例も少なくありません。また入居募集にあたり
家賃の減額を要求され、従わなければサブリース会社から
一方的に契約を解除されるケースもあります。
昨今ではサブリース契約は「オーナーに不利な契約」と認知され、
人気も下火の状態です。
ただサブリースにもメリットはあるため、やはり賃貸経営の方針や
ライフスタイルに合わせて管理形態を決めるのがベストな選択と言えるでしょう。
押さえておくべき2つの管理業務
ではあなたにとってベストな管理形態は、どのように決めればよいか。
その答えは、「賃貸管理にはどのような業務があるか」を知れば自然と見えてくるでしょう。
そもそも賃貸管理には、大きな目的が3つあります。
【賃貸管理業務の目的】
- 入居率を高める
- 建物の老朽化を防ぐ
- 不動産の資産価値を維持する
末永く利益を生み出してくれる賃貸併用住宅を実現するには、
適切な管理業務が欠かせません。
そのため賃貸物件の管理は、「PM(プロパティマネジメント)」、
「BM(ビルマネジメント)」という2つの視点から考えると良いでしょう。
PM管理は主に各種事務や入居者からの問い合わせに関する業務のため、
「人に関わる部分の管理(ソフト面)」とも呼ばれます。
対するBM管理は設備や共用部の修繕や清掃といった物理的な管理のため、
「建物に関する管理(ハード面)」です。
それぞれの管理について、もう少し具体的に見てみましょう。
PM管理の実務
入居者が関わる部分の業務を行うのがPM管理。
具体的には以下のような業務が該当します。
管理と言っても人が関わる部分の業務ですので、きめ細やかな対応が必要です。
ずさんな管理会社に任せてしまうと、入居者の退去やオーナーへの
直接的なクレームにつながります。
入居者目線で業務を行ってくれる管理会社に委託するようにしましょう。
BM管理の実務
BM管理は、主に建物や土地に関する管理業務です。
建物の資産価値を維持するためには欠かせない業務であり、
有資格者や専門家の手を借りる必要があります。
建物だけでなく、植栽やゴミ捨て場と言った景観に関わる管理もBM管理に該当します。
また防火設備や電気設備の管理には資格が必要になるため、
管理会社に依頼するようにしましょう。
賃貸併用住宅のベストな管理方法と管理会社の選びかた
さて、ここまでお読みいただいたあなたは、こんな風に感じているのではないでしょうか。
「自分でできるところは自分で管理して、管理の難しい部分は管理会社に任せよう」
ここまで解説した管理形態別のメリットデメリット、そして具体的な
管理業務を考えると、たしかに委託管理が賃貸併用住宅に適した管理方法と言えるでしょう。
金銭面や時間、精神面のコストを考えると、良いとこ取りができる
委託管理はサラリーマンなどの本業があるかたにマッチした管理方法なのです。
そこで最後に、賃貸併用住宅で失敗しない管理会社を選ぶポイントをご紹介します。
【賃貸併用住宅の管理会社を選ぶポイント】
- 委託管理している物件の入居率が高い会社
- 入居募集に積極的な会社
- 周辺エリアの環境や家賃相場に沿った適切なアドバイスがある
- 担当者が親身な対応である
おおむねどの管理会社も、委託を受けて管理する物件の入居率は把握しています。
入居率が100%に近いのに越したことはありませんが、少なくとも
入居率90~95%の実績を持つ管理会社を選ぶようにしましょう。
また管理会社によっては、業務が非常に怠慢なケースもあります。
費用をケチって入居募集を行っていなかったり日々の建物管理を
おざなりにしていたりするようなら、真っ先に除外すべき管理会社と考えましょう。
そのうえで管理会社の担当者が、入居者にもオーナーにも
真摯な対応であるかをチェックします。
信用できる管理会社であれば入居者の長期入居につながり、
結果として入居率のアップに直結するのです。
賃貸併用住宅に限らず、賃貸物件の建築後は建築会社からの紹介で
管理を委託するケースは多くあります。
しかし建築会社の言われるがままに管理を委託したものの、
実際の業務は怠慢で入居率が大幅に下がったケースも少なくありません。
賃貸管理は、あなたの収入や不動産の資産価値に大きく関わる大事な業務です。
上記にご紹介したポイントを押さえつつ、あなたにとって最適な
管理方法と管理会社を見つけてみてください。