賃貸併用住宅の事前対策!トラブル対処法5選

あなたは賃貸併用住宅にこんなイメージを持っていませんか?

 

「賃貸併用住宅なら自宅の住宅ローンを家賃収入で返済できる!」

「住宅ローンを利用できるから投資用不動産ローンより安い金利で融資を受けられる!」

「相続税の減税や経費計上が可能だから節税効果も期待できそう!」

 

どれも正解ですが、メリットの裏には必ずデメリットが隠れています。

賃貸併用住宅は一般の持ち家と違って「投資」「事業」といった側面があるため、

トラブルやリスクにも目を向ける必要があるのです。

ただ賃貸併用住宅に限らず、トラブルやリスクを事前に対策できるのが不動産の醍醐味。

今回は賃貸併用住宅のトラブルやリスクの種類を解説しつつ、

事前の対策方法までしっかり解説します。

ご紹介する対策方法は、賃貸併用住宅以外の不動産投資でも役立つ情報です。

知見を広げる意味でも、ぜひ最後までご覧ください。

 

人気の賃貸併用住宅!一方で悩みも多く……

 

メリットの多さから安定した人気を誇る賃貸併用住宅。

あなたも以下のようなメリットに魅力を感じているのではないでしょうか。

 

【賃貸併用住宅のメリット】

  • 自宅に住みながら家賃収入を得られる
  • 低金利の住宅ローンを利用できる
  • 家賃収入で住宅ローンを返済できる
  • 資産価値の高い不動産を所有できる
  • 節税効果を見込める

 

一方で「自宅+賃貸」という賃貸併用住宅の性質から、

トラブルやリスクを懸念する人も少なくありません。

 

【賃貸併用住宅のデメリット】

  • 入居者の騒音トラブル
  • 家賃を滞納されるトラブル
  • 設備が故障するトラブル
  • 空室時には収入が減るリスク
  • プライバシーを確保しづらい

 

せっかくメリットの多い賃貸併用住宅も、上記のような悩みから

足踏みしそうになるのも無理もないでしょう。

賃貸併用住宅は「賃貸事業を兼ねた住宅」であるため、オーナーとしてトラブルや

リスクに対処する方法を知っておく必要があります。

ただ幸い、賃貸併用住宅はトラブルやリスクを未然に防げるのもメリットの一つ。

3つのトラブルと2つのリスクに対し、具体的にどんな対策が有効か解説します。

 

賃貸併用住宅でよくある【3つのトラブル】

賃貸併用住宅のトラブルは、人が関わる「ソフト面」、

そして設備を主とした「ハード面」に分けられます。

賃貸併用住宅に限りませんが、ソフト面である入居者トラブルは賃貸事業においては

特に気にしておくべきと言えるでしょう。

入居者の騒音トラブル

賃貸住宅で問題になりがちなのが「騒音」です。

賃貸オーナーが真っ先に挙げると言っても過言ではない悩みであり、

以下のようなトラブルが多く報告されています。

 

  • 子供が家の中を走り回る足音がうるさい
  • 音楽やゲームの音が大きい
  • トイレや洗濯、お風呂などの生活音が響く
  • 入居者が飲み会を開催して騒ぐ

 

賃貸併用住宅は自宅も兼ねています。せっかくのマイホームで騒音を

気にしなければいけないのでは、一般の賃貸住宅と変わりません。

ただし、賃貸併用住宅の騒音トラブルは間取りと工夫で事前に回避できます。

 

【騒音トラブルの回避方法】

  • 水回りの設備と寝室を離した配置で設計する
  • 隣家との間に収納スペースを設けた間取りにする
  • 壁は防音性のある断熱材を使用する
  • 床には遮音性の高いフローリングやウレタンマットなどを採用する
  • ペアガラスや二重サッシの窓にする

 

騒音は自宅と賃貸の間における問題だけでなく、入居者同士のトラブルにもつながります。

防音や遮音について設計段階から専門家に相談し、安心して暮らせる賃貸併用住宅を目指しましょう。

家賃滞納3つのトラブル

騒音トラブルと同じくらい多いのが「家賃滞納」のトラブル。

賃貸併用住宅は入居者とオーナーが近くに住んでいるため、

直接オーナーが催促しづらかったり気まずくなったりするでしょう。

かといって家賃滞納を放置すれば大事な収入は減り、裁判を起こすともなれば大きな負担になります。

家賃滞納トラブルを防ぐには、主に3つの方法が有効です。

 

【家賃滞納トラブルの回避方法】

  1. 事前の入居審査をしっかり行う
  2. 家賃の集金や督促は管理会社に任せる
  3. 保証会社を利用する
  4. 立地の良いエリアに賃貸併用住宅を建てる

 

入居審査や家賃の入金管理、家賃の催促といった手間をカットするなら、

管理会社に依頼するのがベスト

管理会社によりますが、入居審査から家賃の管理まですべて代行してくれる管理会社は多くあります。

また昨今は保証人を頼みづらいという理由から、保証会社を利用する賃貸契約も少なくありません。

保証会社を利用すると、賃貸オーナーにとって多くのメリットがあります。

 

【保証会社を利用するメリット】

  • 入居審査をしっかり行ってくれる
  • 保証人を付けられない入居者も募集できる
  • 家賃は保証会社が立て替えてくれる

 

仮に家賃を滞納されても保証会社が立て替えて支払ってくれるため、

オーナーは家賃収入を確保できるのが最大のメリット。

また保証会社は入居希望者の属性などから入居審査をしっかり行うため、

家賃滞納のトラブル自体が起こりにくいとも言えるでしょう。

なお賃貸併用住宅の建築を検討するなら、エリアの選定も大事です。

家賃が安すぎるエリアでは、マナーの悪い人が入居する可能性が否めません。

駅近物件や利便性の高いエリアなら比較的にマナーの良い人が入居するうえ、

高めの家賃設定が可能です。

滞納リスクの低い入居者を募集するという意味では、立地や家賃設定も大事なポイントと言えるでしょう。

設備故障や共有部の破損・汚損トラブル

賃貸併用住宅は、賃貸経営を兼ねたマイホーム。

そのため、入居者からのさまざまな連絡やクレームに対応する必要があります。

 

【賃貸住宅でよくあるクレーム】

  • ゴミ捨て場にゴミが散乱している
  • 外廊下の照明が切れている
  • 水回りの設備が壊れた
  • エアコンが効きづらい
  • 集合ポストの周りにチラシが散乱している
  • 隣人が夜中に大きな音を立てる

etc……

 

ただオーナーがサラリーマンであったり用事のある日は、

入居者からの連絡に迅速な対応ができません。

そのため入居者対応や設備、建物の管理についても、

やはり管理会社に任せるのが最善の方法と言えるでしょう。

管理会社の仕事は家賃の管理だけでなく、入居者からの連絡をはじめとして、

設備の故障や共有部の破損、汚損といったトラブルにも対応してくれます。

管理会社には管理委託費として毎月手数料を支払いますが、

管理会社は入居者対応や設備、建物を管理するプロ。

仮に入居者がクレーマーでもオーナーが対応する必要はなく、

素人では対応できない設備故障や建物管理もすべて代行してくれます。

賃貸併用住宅を建てるオーナーにとって、管理会社は心強い味方なのです。

 

賃貸併用住宅で事前に把握すべき【2つのリスク】

賃貸併用住宅は、あくまで第三者に部屋を貸す賃貸事業。

そのため普通の持ち家にはないリスクがありますが、もちろん事前の対策が可能です。

空室による収入減のリスク

メリットの多い賃貸併用住宅ですが、もっとも気にすべきなのは「空室リスク」です。

空室を放置していては家賃収入が減るばかりでなく、ローン返済にも支障が生じます。

また管理会社に支払う管理委託費や修繕に必要な費用、

税金の支払いなどに影響が出る可能性も否めません。

賃貸併用住宅の空室リスクを回避するには、主に5つのポイントを押さえるようにしましょう。

 

【空室リスクを回避するポイント】

  1. 賃貸需要のあるエリアに賃貸併用住宅を建築する
  2. 住環境や建物のグレード、近隣相場に合わせた適切な家賃設定
  3. 各設備のメンテナンスや共用部の管理を適切に行う
  4. 実績と経験の豊富な管理会社や不動産会社に入居募集を依頼する
  5. 入居者ニーズには敏感になる

 

不動産業界ではよく知られた、2つの格言があります。

 

「不動産は立地がすべて」

「マンションは良い管理を買え」

 

どちらも不動産の資産価値や入居率に関わる言葉です。

どんなに高級な建物でも立地が悪ければ資産価値は低く、入居者も現れません。

また管理がおざなりな物件は入居者意識が低くなり、入居率や資産価値の低下に影響します。

入居募集や物件管理を管理会社や不動産会社に丸投げせず、自分自身でも

賃貸需要や入居者ニーズを把握するようにしましょう。

入居率が高い不動産は資産価値も高くなります。

賃貸併用住宅を建築するなら、空室対策をしっかり行うようにしましょう。

プライバシーを確保しづらくなるリスク

一般の賃貸住宅と違い、賃貸併用住宅には「プライバシーが確保できない」というリスクもあります。

自宅と賃貸部分が近い賃貸併用住宅には自主管理しやすいメリットもありますが、

「他人が近くにいる」という不安はオーナーだけでなく入居者も同じです。

特に入居者のなかには他人に干渉されるのを嫌う人もいるため、

賃貸経営の視点から考えてもプライバシーを確保する方法は検討しておいたほうが良いでしょう。

賃貸併用住宅でプライバシーを確保する工夫をいくつかご紹介します。

 

【賃貸併用住宅でプライバシーを確保する工夫】

  • 自宅部分と賃貸部分の入り口やエントランスを別々にする
  • 入居者とオーナーが鉢合わせしないよう玄関の向きを変える
  • 目隠しのためにベランダや庭スペースに植栽を植える
  • ベランダや窓を各部屋が見える配置にしない
  • 防音性に優れた設計にする

 

建物の建築が終わったあとでは、玄関やエントランスの位置などは簡単に変更できません。

設計段階からプライバシーを確保したいと建築会社に伝え、

事前に対策するのを忘れないようにしましょう。

また家賃の集金や建物の管理を管理会社に任せておけば、

基本的に入居者と接する機会は多くありません。

入居者に会うとしても入退去時のあいさつ程度にし、

お互いのプライバシーを守る工夫と意識を持つようにしましょう。

 

トラブル対策をすれば賃貸併用住宅は快適に!

ここまで賃貸併用住宅に関わるトラブルとリスクを5つご紹介させていただきました。

事前の対策方法も踏まえ、内容をまとめておきましょう。

 

  • 入居者による騒音は、間取りの工夫と建築素材で解消しよう!
  • 家賃滞納は管理会社と保証会社と手を組んで阻止しよう!
  • 設備や建物のメンテナンス、入居者からの連絡などの対応は管理会社に依頼しよう!
  • 空室リスクを回避するには、管理と立地、自身でのマーケティングが重要!
  • 賃貸併用住宅のプライバシー確保は設計段階からしっかり検討しよう!

 

冒頭でもお伝えしたとおり、トラブルやリスクを事前に対策できるのが不動産の醍醐味。

「不動産投資」として見たとき、賃貸併用住宅はトラブルやリスクを事前に

対策できるほかの投資商品にはない最高の旨味があるといっても過言ではありません。

建築会社に相談してトラブルやリスクを事前に回避する対策を講じ、

いざという時は不動産会社や管理会社としっかり連携するようにしましょう。

賃貸併用住宅を手に入れて良かったという人は多くいます。

本サイトでも事例を紹介していますので、ぜひご参考になさってください。