賃貸併用住宅オーナーの3つの仕事!よくある悩みと業務内容

住宅ローンを家賃収入で返済できる賃貸併用住宅。

場合によっては家賃収入がローン返済を上回るケースもあり、

賃貸併用住宅は新しい住まいの形として注目されています。

ただ賃貸併用住宅を建築したら、あなたは賃貸オーナーです。

いくら住宅ローンの返済が楽になると言っても、何もしなくてもよいわけではありません。

賃貸オーナーとなれば、自宅と賃貸の両方を気にかけなければいけないのです。

とはいえ実際のところ、オーナーの仕事は多くありません。

あなたが賃貸併用住宅のオーナーになったら、やるべき仕事は3つ。

具体的にどんな仕事があるのか、この記事で分かりやすく解説します。

あなたが賃貸経営でもっとも力を入れるべき仕事が見えてくるはずですので、

ぜひ最後までご覧ください。

 

1.「自宅と賃貸スペースの位置・間取り」を熟慮する

あなたが賃貸併用住宅を手に入れるとき、きっと「自宅と賃貸の位置・間取り」で

最初に悩むでしょう。

家賃や設備の管理などはあとになってからでも変更できますが、建物の位置や間取りは

建築してからでは変更できません。

あなたと入居者が満足を得られる住宅を建築するためには、2つの視点で

自宅と賃貸スペースの位置・間取りを検討する必要があります。

 

安心とプライバシーの確保

自宅と賃貸の位置・間取りを考えるべき理由は、「安心とプライバシーを確保するため」です。

設計段階で自宅と賃貸の位置を検討すれば、自宅と賃貸の間における2つの問題を解消できます。

 

  1. 騒音問題
  2. 入居者とオーナーのプライバシー

 

安心とプライバシーが確保された家に住みたいと思うのは、あなただけでなく入居者も同じです。

防音性のある壁や床や間取りの工夫で騒音問題を回避し、オーナーと入居者が顔を合わせないよう

配慮された構造を検討しましょう。

 

  • 水回りと寝室や居室が隣り合った間取りにしない
  • 隣家との間に収納スペースを設けた間取りにする
  • 壁や床は防音効果のある素材を採用する
  • 自宅と賃貸部分を廊下続きにしない
  • 自宅と賃貸のエントランスを離す

etc……

 

入居者にとって賃貸併用住宅は「大家さんが近くにいる」という安心感があるのも事実ですが、

「オーナーと顔を合わせたくない」という人も多くいます。必要以上に入居者へ干渉するのは

避けるのがベストです。

また、あなたのプライバシーを確保するのも大事ですが、賃貸部分のプライバシーを

確保できていない物件は入居者から嫌厭されます。

あなたと入居者が互いにストレスフリーな生活を送れるよう、設計段階から間取りや

設備についてしっかり検討しましょう。

 

賃貸ニーズに合わせる

賃貸併用住宅における安心とプライバシーは、「賃貸ニーズ」にも直結します。

もしあなたが自由設計で家を建てるとしたら、真っ先に住みやすい間取りを

検討するのではないでしょうか。

快適な間取りの部屋に住みたいと思うのは入居者も同じです。

「自宅+賃貸」である賃貸併用住宅は、あなたを満足させる住みやすさだけでなく、

入居者にも喜んでもらえる間取りを考えなければいけません。

 

【住みやすい間取りの例】

  • 生活動線と家事動線が考慮された間取り
  • 十分に確保された収納スペース
  • 採光と風通しが良い窓の配置
  • 植栽すれば目隠しや和みの効果がある
  • 家電が置かれる場所にコンセントを設置

etc……

 

また自宅と賃貸を横に割るのか、縦に割るのかも大事な問題。

横割りと縦割りのメリットデメリットを把握しつつ、あなたのライフスタイルと

入居者ニーズを満たせる住まいになるようしっかり検討しましょう。

【横割りのメリット・デメリット】

 

【縦割りのメリット・デメリット】

建築のプロでない限り、自宅と賃貸の両方において住みやすさを実現するのは簡単ではありません。

あなたと入居者がwinwinの関係になれる住宅を建てられるよう、

まずは不動産会社や建築会社に相談しながら決めていくと良いでしょう。

 

2. 「物件管理」は2つの面で考える

賃貸併用住宅に限らず、賃貸管理は管理会社へ依頼するのが一般的。

ただ任せっきりにするのは良くありません。直接あなたが管理する必要はなくても、

いざとなったら適切な対処ができるよう具体的にどのような管理が行われるか把握しておきましょう。

賃貸経営における管理は、「ソフト面」と「ハード面」に分けられます。

ソフト面をPM管理、ハード面をBM管理と呼びますが、賃貸併用住宅にも十分通じる考えかたです。

賃貸経営のソフト面(PM管理)

賃貸管理におけるソフト面とは、主に「人に関わる部分」の管理です。

オフィスビルやREITなどの用語では、ソフト面をPM(プロパティマネジメント)管理と言います。

一般の賃貸経営におけるPM管理は、以下をイメージすると良いでしょう。

 

【賃貸経営のソフト面(PM管理)】

  • 空室の入居募集
  • 契約や更新の事務
  • 家賃の管理
  • 滞納への対応
  • 入居者からの問い合わせ対応

etc……

 

賃貸経営はソフト面だけでもさまざまな業務がありますが、サラリーマンなどの本業があると

すべての管理を一人で行うのは現実的ではありません。

そのため家賃の3%~7%の手数料を払い、管理会社に委託するのがベスト。

また入居募集を不動産会社に依頼する際は、一般的に広告料として家賃の1か月分がかかります。

それぞれの金額は会社により違いますが、手数料や広告料さえ支払えばほとんどの業務を

代行してもらえます。

あとはトラブルが起きたときに迅速に対処できるよう、日頃から管理会社や

不動産会社からの報告は必ず確認するようにしましょう。

 

賃貸経営のハード面(BM管理)

人が関わるソフト面の管理に対し、賃貸経営ではハード面の管理も大事な業務。

ハード面は「建物の管理」を指し、BM(ビルマネジメント)管理とも言います。

では、賃貸併用住宅におけるBM管理の例を見てみましょう。

 

【賃貸経営のハード面(BM管理)】

  • 設備の点検
  • 日常清掃
  • 植栽の管理
  • 定期修繕
  • その他破損などの修繕

etc……

 

賃貸管理のソフト面において、管理会社に任せるのが一般的とお伝えしました。

ただ管理会社の業務内容も多岐に渡ります。入居募集まで一括して行う会社もあれば、

業務内容を細分化してオーナーが選択できるようにしている会社もあるのです。

そのため時間に余裕がある人やDIYの知識があるオーナーが自身で建物の管理を行い、

管理コストを削減するケースもあります。

ただ入居者と顔を合わせやすい賃貸併用住宅においては、建物の管理や清掃は

管理会社に任せたほうが良いでしょう。

オーナーであるあなたは、たまに清掃状況や破損個所のチェックをするに留めるのがベストです。

 

3.「資産管理」もオーナーの仕事

さて、ここまでお読みいただいたあなたは、こんな風に思われているのではないでしょうか。

「建てたあとのことは管理会社に任せられるなら、賃貸併用住宅でやるべき仕事は

最初の間取り決めくらいか。」

賃貸併用住宅に限らず、たしかに賃貸経営でオーナーがやるべき仕事が多くないのは事実です。

ただし不動産会社や建築会社、そして管理会社は、あなたの資産まで管理してくれません。

「家賃収入(利益)」、「管理・修繕コスト(費用)」、「不動産の収益性(資産価値)」は、

あなた自身が管理する必要があります。

つまり不動産の管理は「人が関係するPM管理」、「建物に関わるBM管理」の2つに加え、

「資産の管理を行うAM(アセットマネジメント)管理」も重要なのです。

 

【賃貸経営におけるAM管理の例】

  • 資産価値の高い立地の選定
  • 家賃や更新料、礼金敷金の設定
  • 毎月の収支状況をチェックする
  • 節税まで含めた年間のキャッシュフローをチェックする
  • 建物の老朽化を踏まえた修繕計画や出口戦略

etc……

 

賃貸併用住宅は、自宅の住宅ローン返済を家賃収入で補えるのが最大のメリット。

ただ同時に賃貸経営を赤字にしない工夫と努力が欠かせません。

賃貸併用住宅を建築する前に専門の会社に相談し、あらかじめの

収支シミュレーションは必ず行いましょう。

そのうえで日頃から帳簿付けや管理会社からの報告書などに目を通すようにすれば、

賃貸併用住宅の資産管理で慌てることはありません。

 

不動産会社とパートナーシップを構築するのも大事な仕事!

インターネットを始めとして、世の中には賃貸経営に関する実に多くの情報が溢れています。

ただ不動産投資や賃貸経営を成功させる方法は、今回解説した内容を踏まえて2つの格言に

集約されると言っても過言ではありません。

 

「不動産は立地がすべて」

「賃貸物件は良い管理を買え」

 

では上記の格言を実現するにはどうすればよいでしょうか。

それは「不動産会社や管理会社と良い関係を構築する」のが最善の方法です。

賃貸併用住宅のノウハウを持った会社は多くありません。

建築前の設計から収支シミュレーション、そして賃貸管理に至るまで、

不安な点は賃貸併用住宅の専門会社の【はたらくおうち】にぜひ相談してください。

賃貸併用住宅の知識に富んだ【はたらくおうち】が、あなたの心強い味方になるでしょう。